記事が少ないうちは、カテゴリとタグの違いは問題になりにくい。ところが本数が増えると、似た名前のカテゴリが並び、タグの数が記事の数に近づき、どこに何があるのかが書き手自身にも分からなくなる。分類は、増えた後に直すほど手間がかかるため、増える前に分け方の基準を決めておくことが重要である。

本記事では、カテゴリを主題による「置き場所」、タグを記事をまたがる「横断する属性」と位置づけ、設計の原則を整理する。あわせて、当てはめ方、よくある破綻の形、既存分類を見直す進め方をまとめる。特定のシステムの操作手順ではなく、共通する分類の考え方を扱う。

カテゴリとタグの役割の違い

分け方の出発点は、2つの役割を混同しないことである。カテゴリは、記事が主に何について書かれたものかを示す分類であり、サイト全体の構成と結びつく。タグは、主題とは別の切り口で記事同士を結びつける分類であり、カテゴリを横断して付けることが前提になる。

項目カテゴリタグ
役割記事の置き場所。主題による大枠の分類記事を横断する属性。主題以外の切り口による補助的な分類
分け方の軸記事が主に扱う主題は何か記事に共通する対象、場面、形式などは何か
1記事への付け方基本は1つに定める必要に応じて複数付けるが、数を絞る
階層持たせる場合は浅く保つ階層は持たせないことが一般的である
想定する使い方読者が目当ての一覧へたどる入口になる同じ切り口の記事を続けて読む手がかりになる
増え方主題の広がりに応じて、緩やかに増える再利用を前提とし、むやみに増やさない

この違いは、サイトを論理的に整理するという考え方と重なる。Google検索セントラルのSEOスターターガイドは、サイトの構築時や改装時には論理的に整理することを勧めており、その理由として、検索エンジンやユーザーがページ間の関係を把握しやすくなることを挙げている(出典:Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」)。カテゴリは、その整理の骨格にあたる。骨格が記事ごとに揺れれば、ページ間の関係も読み取りにくくなる。

一方のタグは、骨格を補う役割である。主題の異なる記事でも、対象者や場面が共通していればタグで結びつけることができる。タグがカテゴリと同じ軸で記事を分け始めた時点で、2つの役割は重なり始める。

本記事での「カテゴリ」「タグ」は、多くの仕組みに共通する分類機能を指す一般的な呼び方である。名称や設定項目は仕組みによって異なるが、役割の区別は共通して当てはまる。

分ける基準を先に決める

分類で避けたいのは、記事を書くたびに、その場の感覚で新しい分類を作る進め方である。基準がないまま増やすと、同じ意味の分類が別の名前で並び、後から全体を見直さなければならなくなる。分類の軸を先に決め、その軸に沿って記事を割り当てることが順序である。

カテゴリの軸は1つに絞る

カテゴリの軸は、原則として主題の1軸に絞る。「何について書いた記事か」で分けるのであれば、対象者や難易度、形式は軸には混ぜない。軸が複数混ざると、1つの記事が複数のカテゴリに当てはまり、所属を1つに定められなくなる。混ざりやすい軸ほど、タグ側で扱う候補として切り分けておく。

軸を決める際の物差しは、読者の探し方である。読者がどのような言葉と順序で目当ての記事を探すのかを考える。業務分担や担当分けといった内部の都合は読者には見えず、入口としては機能しにくい。あわせて、今後増える記事を無理なく割り当て続けられる軸かどうかも、決める段階で確かめておく。

タグの軸は、再利用できるものだけに限る

タグの軸は、複数の記事に繰り返し現れる属性に限る。対象者、地域、場面、形式などが候補になるが、すべてを採用する必要はない。実際に繰り返し現れる属性だけを選び、候補の数を絞る。1回しか現れない属性はタグの軸にはせず、2本目、3本目が現れてから認めるほうが、分類の膨張を抑えられる。

決めた基準は短い文書に残す

軸を決めたら、短い文書に残す。残す内容は、カテゴリの一覧と定義、タグに使ってよい軸の範囲、迷った場合の判断例である。新しい書き手が加わっても同じ判断ができる程度に、定義が1行で言える形が扱いやすい。文書に残っていなければ、担当者が替わるたびに解釈が変わり、ずれが蓄積する。

カテゴリの設計原則

主題で分け、所属は基本的に1つにする

割り当てでは、記事の主題を1つに定め、その主題のカテゴリに所属させる。複数の主題に触れている場合は、読者が期待する中心の主題はどれかで判断する。中心が定まらない記事は、分類の問題ではなく、記事自体の主題が散らかっている可能性があるため、構成側を見直す対象として扱う。

所属を1つに保つと、サイトの構成が明確になる。パンくずリストは、ページがサイトの階層のどの位置にあるかを示し、利用者がサイトを理解し、たどる助けになるものと説明されている(出典:Google検索セントラル「パンくずリスト(BreadcrumbList)構造化データ」)。所属が1つであれば経路も1通りになり、読者は現在位置を把握しやすい。所属が複数ある記事では経路も複数になりやすく、手がかりとしては弱くなる。

階層は浅く保ち、細分化は急がない

カテゴリに下位の階層を持たせる場合は、浅く保つことが原則である。階層が深くなるほど、読者がたどる手間は増え、書き手が迷う場面も増える。下位カテゴリは、属する記事がある程度まとまってから作る。1本や2本しか入らない下位カテゴリを先に用意すると、一覧ばかりが増え、探す側の負担が増える。

類似した主題のページをまとめる考え方は、公式の案内にもある。SEOスターターガイドは、数千以上のURLを含むようなサイトでは構造がクロールとインデックス登録の動作に影響を与えうること、ディレクトリを使って類似のトピックをまとめると、ディレクトリ内のURLが変更される頻度をGoogleが学習しやすくなることを説明している(出典:Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」)。ただし、これは大規模なサイトでの説明であり、小規模なメディアで細かな階層を量産する根拠にはならない。まとめる単位は、読者がまとまりとして認識できる大きさに保つ。

名前は読者の言葉で付け、後からの変更を前提にしない

カテゴリの名前は、読者が見て中身を推測できるものにする。社内だけで通じる略称や流行に寄せた名前は避ける。スターターガイドでも、URLについては、ユーザーの役に立ちそうな言葉を含むことが勧められており、ランダムな識別子だけのURLは役に立ちにくい例として挙げられている(出典:Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」)。分類の名前についても同じ考え方が当てはまる。

また、カテゴリ名は後から頻繁に変える前提にしない。変えれば、サイト内の案内や一覧の表記、場合によってはURLにも影響が及ぶ。数年先でも意味が通る名前かどうかを、決める段階で確認しておく。

タグの設計原則

カテゴリを横断する切り口に使う

タグは、カテゴリの異なる記事同士を、別の切り口で結ぶために使う。主題の異なる記事でも、対象者が同じであれば、その対象者を表すタグで結べる。読者は、同じ対象者向けの別の主題の記事へ移ることができる。これが、置き場所であるカテゴリにはない、タグ固有の働きである。

逆に、カテゴリとまったく同じ範囲を指すタグは作らない。一覧同士が同じ記事の集まりを示すのであれば、入口が重複しているだけであり、付け間違いの温床にもなる。タグを新しく作る前には、既存のカテゴリで代替できないかを先に確かめる。

付ける数と、作る条件を決めておく

タグは複数付けられる仕組みであるが、付けられることと、付けるべきであることは別である。1記事に付けるタグの上限の目安を決め、根拠のないタグは付けない。付ける理由が説明できない場合は、付けない側に倒す判断が安全である。

新しいタグを作る条件も決めておく。実務では、そのタグが付く記事がすでに複数あること、今後も同じ属性の記事が増える見通しがあることを条件にする方法がある。条件を満たさない言葉はタグにはせず、本文の中での言及にとどめる。1本しか入らない一覧を量産すると、読者がたどる先の内容が薄くなり、案内としての分かりやすさも損なわれやすい。これは一般的な運用上の注意であり、特定の評価が下るという意味ではない。

表記をそろえ、同義のタグを作らない

タグの表記揺れは、分類の分断を招く。同じ意味の言葉が表記の違いで別々のタグになると、同じ属性の記事が複数のタグに分散する。タグを作る際は既存の一覧と照合し、同義のものがないかを確かめる手順を運用に組み込む。表記の基準は、読者が実際に使う言葉に寄せ、決めた表記を一覧に残す。

判断に迷う場合の当てはめ方

原則だけでは判断がつかない場面もある。その場合は、次の順序で問いを立てる。第1に、記事の中心の主題は何か。その答えがカテゴリになる。第2に、主題以外の切り口で、他の記事と共通する属性があるか。その答えがタグの候補になる。第3に、その属性は今後も繰り返し現れるか。現れないのであれば、タグにはしない。

次に、作例として、架空の園芸用品店の情報メディアを想定した当てはめを示す。実在の事例ではない。

記事の内容(作例)カテゴリ(作例)タグ(作例)判断の理由(作例)
ベランダでのトマトの育て方野菜の育て方ベランダ菜園、夏野菜主題は野菜の育て方であり、場所と季節は横断する属性にあたる
室内で観葉植物を枯らさない水やりの方法観葉植物の手入れ室内、水やり主題は観葉植物の手入れであり、水やりは他の主題にも現れる作業である
初心者向けの土の選び方園芸の基礎初心者向け主題は基礎知識であり、対象者はタグで横断させる
秋に植える球根の種類と植え方花の育て方秋植え主題は花の育て方であり、時期はタグの切り口にする

作例で注目したいのは、「ベランダ菜園」や「初心者向け」をカテゴリにしていない点である。これらをカテゴリにすると、主題の軸と対象者や場所の軸が混ざり、「ベランダで育てる観葉植物」の記事がどちらのカテゴリにも当てはまってしまう。軸の混在を避け、混ざりやすい切り口をタグに寄せることが、迷いを減らす要点である。

よくある破綻の形

分類の破綻は、小さな例外の積み重ねで進む。代表的な形は次の4つである。

1. カテゴリの乱立

新しい題材を書くたびにカテゴリを増やし、似た主題のカテゴリが複数並ぶ形である。書き手は割り当てのたびに迷い、読者はどの一覧を見ればよいのか分からなくなる。兆候は、属する記事が数本しかないカテゴリが増えることである。対策は、新規作成の条件を決め、既存カテゴリに当てはまらないかを先に確かめることである。

2. タグとカテゴリの重複

カテゴリと同じ名前や、同じ範囲を指すタグが存在する形である。入口が重複し、判断も曖昧になる。原因の多くは、軸を決めないまま両方を運用したことにある。重複が見つかった場合は、主題の側をカテゴリとして残し、タグ側は廃止するか、別の属性へ置き換える。

3. 1記事だけのタグの量産

記事ごとに新しいタグを作り、タグの総数が記事の総数に近づく形である。タグは再利用されて初めて、記事同士を結ぶ働きを持つ。1本にしか付いていないタグは結ぶ相手がおらず、一覧としても中身が薄い。対策は、新規作成の条件と、定期的な棚卸しで1本だけのタグを整理することである。

4. 後から分類軸が増えて再編が必要になる

運営の途中で対象者別や地域別といった新しい軸をカテゴリに追加し、既存の割り当て全体と衝突する形である。無計画に追加すると、全記事の割り当て直しが必要になる。新しい軸への需要が見えてきた場合は、タグで扱えないかを先に検討し、カテゴリの軸として採用するのは、タグでは担えないことが明確になってからにする。

分類ページが増えることと、重複した内容のページが増えることは別の問題である。SEOスターターガイドは、異なるURLで同じコンテンツが表示される重複について、ユーザーエクスペリエンスを損ない、重要ではないURLにクロールのリソースを浪費させる可能性があると説明している(出典:Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」)。これは同一内容のページに関する説明であり、タグの一覧ページが直ちにこれに該当すると断定できるものではない。ただし、内容の薄い一覧や、同じ記事集合を示す入口を増やし続けることが望ましくない点は、一般的な注意として押さえておきたい。

既存メディアの分類を見直す手順

すでに記事が増え、分類が破綻し始めている場合は、新しい基準をいきなり適用せず、現状の把握から始める。手順の骨格は次のとおりである。なお、サイト全体の棚卸し自体は別の主題であり、ここでは分類の見直しに関わる範囲にとどめる。

  • 現状を一覧にする:カテゴリとタグの一覧、それぞれに属する記事数、1記事だけが属する分類、記事が属していない分類を洗い出す
  • 軸の混在を点検する:カテゴリの中に主題以外の軸が混ざっていないか、タグとカテゴリで重複するものがないかを確かめる
  • 新しい基準を決める:本記事で整理した原則に沿って、カテゴリの軸と定義、タグに使ってよい軸の範囲を文書に残す
  • 統合と廃止の対象を決める:似た分類は統合し、使われていない分類は廃止の候補にする。統合の際は、導線が途切れないよう移行先を先に決める
  • 割り当て直しは範囲を区切って行う:全記事を一度に直さず、記事数の多いカテゴリから順に進め、変更の記録を残す

見直しで大切なのは、分類を減らすこと自体を目的にしないことである。目的は、読者が探しやすく、書き手が迷わず割り当て続けられる状態に戻すことである。統合で一覧が充実するのか、廃止した入口の代わりにどこからたどれるのかを確認してから実行する。URLの変更が伴う場合は影響を分けて考え、表示名で済む範囲はURLに触れず、変更が必要な場合は移行を別途設計する。

運用ルールを残し、例外を記録する

設計と見直しが済んでも、運用が元に戻れば分類は再び崩れる。崩壊を防ぐ仕組みは、公開前の確認手順に組み込むことが有効である。公開時に、カテゴリは基準に沿って1つに定めたか、新しいタグは作成の条件を満たすか、表記は既存の一覧とそろっているかを確かめる。確認は、内容の点検と並行して行える程度の重さに保つ。

例外は、認めること自体よりも、記録しないことが問題になる。基準に合わない割り当てを行った場合は理由を記録に残す。記録があれば、例外が一時的な対応なのか、基準を見直すべき兆候なのかを後から判断できる。同じ形の例外が繰り返し現れるのであれば、例外を重ねるのではなく基準を改める。

定期的な点検も組み込んでおく。たとえば四半期や半年に1度、一覧を出し、記事数1の分類、重複が疑われる分類、定義から外れた割り当てがないかを確かめる。小さなずれはこの範囲で直せる。大規模な再編は導線にも影響しやすく、避けるべき進め方である。

まとめ:軸を先に決め、カテゴリは置き場所、タグは横断に徹する

カテゴリとタグの分け方は、主題による置き場所と、主題を横断する属性という役割の違いに立ち返れば整理できる。カテゴリは主題の1軸で分け、所属は基本的に1つとし、階層は浅く保つ。タグは繰り返し現れる属性に限り、付ける数と作る条件を決めて運用する。軸は記事を割り当てる前に決め、読者の探し方と続けやすさを物差しにし、基準は短い文書に残す。

破綻は、カテゴリの乱立、タグとカテゴリの重複、1記事だけのタグの量産、後からの軸の追加といった形で静かに進む。既存の分類を見直す場合は、現状の一覧化から始め、新しい基準を決め、統合と廃止と割り当て直しを範囲を区切って進める。運用では、公開前の確認と例外の記録、定期的な点検によって分類を保ち続けることが求められる。

なお、本記事を公開しているキジカルテは、SEO記事の制作と分析を扱うサービスであり、記事の分類を含むサイト構成の整理を、制作前の設計と公開後の見直しの工程の前提としている。サービス内容の詳細はサイト内の案内を参照されたい。

出典

  • Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」
  • Google検索セントラル「パンくずリスト(BreadcrumbList)構造化データ」