SEO記事の外注を考え始めると、最初にぶつかるのが費用の幅の広さです。同じ「1本」でも、数千円の見積もりもあれば、数万円の見積もりもあります。どちらかが間違っているわけではなく、含まれている作業が違うことがほとんどです。この記事では、公開されている募集やサービスページを調べると見えてくる相場の幅を、計算できる形で整理し、見積もりの確認点と段階ごとの買い方もまとめます。
先に結論を書くと、費用は「文字単価」と「1本単価」という2つの物差しで見ると整理しやすくなります。単価の差は、文章を書く作業そのものよりも、その前後の工程――どの検索語を狙うかを決める分析、事実を確かめるチェック、公開後の測定と直し――が入っているかどうかで生まれることが多い、というのが全体像です。
相場を見る2つの物差し|文字単価と1本単価
文字単価は「書く量」に対する価格
文字単価は、1文字あたりの単価に記事の文字数を掛けて金額を出す方式です。計算は単純で、たとえば5,000字の記事なら、文字単価0.5円で2,500円、1円で5,000円、3円で15,000円、5円で25,000円、6円で30,000円になります。見積もりが文字単価で提示されたら、まずこの掛け算をして、1本あたりの金額に直してみてください。逆に、1本単価で提示された見積もりも、想定文字数で割れば文字単価に直せます。たとえば5,000字で30,000円なら、30,000円÷5,000字=1文字6円です。2つの物差しを行き来できるようにしておくと、方式の違う見積もり同士を比べやすくなります。
ただし、文字単価には注意点もあります。文字数が多いほど金額が上がる方式なので、「長ければよい記事になる」とは限りません。Googleは、検索する人の役に立つことを目的に作られたコンテンツを優先する考え方を示しており、文字数そのものを評価基準としては示していません(出典:Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」 https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content?hl=ja )。文字数はあくまで作業量の目安と捉え、内容の範囲とセットで考えるのが現実的です。
1本単価は「工程のまとまり」に対する価格
1本単価は、構成から執筆、チェック、入稿までを1本分としてまとめて提示する方式です。文字数で金額が動きにくい代わりに、どこまでの工程が含まれるかが見えにくくなりがちです。同じ「1本30,000円」でも、執筆だけの場合と、キーワード選定や事実確認まで含む場合では中身がまったく違います。金額よりも先に「含まれる工程の一覧」を確認することが大切です。
公開情報から分かる相場の幅
ここからは、当サービスが2026年11月に公開されている募集・サービスページを調べた範囲での相場観です。価格は改定されることもあるため、最新の金額は各ページで確認してください。作業の範囲で分けると、次の層に分かれます。
| 依頼の形 | 費用の目安 | 主に含まれる作業 |
|---|---|---|
| クラウドソーシングで執筆のみを依頼 | 文字単価0.5円〜1円台から見られる | 指定されたテーマ・構成での執筆が中心。構成づくりやチェックは発注側が担うことが多い |
| フリーランスや小規模な制作への依頼 | 文字単価2円〜5円前後、または1本10,000円〜25,000円前後(5,000字程度の場合) | 構成と執筆。キーワード調査を含むかどうかは依頼先による |
| 編集・チェック付きの記事制作代行 | 1本30,000円〜50,000円 | 構成、執筆、編集・校正までをまとめて担う形。キーワード選定などの分析は含まれる場合もあるが、別料金の会社も多い |
| 分析レポートのみ(単品) | 簡易なものは15,000円前後から見られるが、事業者の単発レポートは100,000円〜500,000円程度、フリーランスの簡易レポートは50,000円〜150,000円程度 | キーワードや競合の調査結果をレポートとして納品。記事の制作は含まない。15,000円前後はクラウドソーシング等で出品されている簡易な分析メニューの下限であり、事業者の単発レポートの下限ではない |
| コンサルティング込みの支援 | 月額250,000円〜 | 戦略設計、キーワード選定、施策の提案、レポーティングなどを継続支援する形 |
この表で見たいのは、金額の序列そのものよりも、「高い層ほど、書く作業の前後の工程が含まれている」という対応関係です。たとえば大手の事例では、キーワード選定だけを切り出しても別料金として提示されています。株式会社PLAN-BのSEO記事制作のページでは、対策キーワード選定が10万円から(10キーワードあたり)と案内されています(出典:株式会社PLAN-B「SEO記事制作」 https://www.plan-b.co.jp/solution/seo/content/ )。分析レポートについては、@SOHOの調査では、事業者への単発(スポット)の競合調査レポートは100,000円〜500,000円程度、フリーランスへの直接依頼では簡易レポートで50,000円〜150,000円程度とされています。そのため表の15,000円前後は、クラウドソーシング等で出品されている簡易な分析メニューの下限として読んでください(出典:@SOHO「SEO競合分析の外注費用」 https://atsoho.com/blog/seo-competitor-analysis-cost )。コンサルティング込みの支援の月額250,000円という下限は、Chapter Twoメディアが各社の公式サイトを確認した集計で、StockSunが「コンサルのみ25万円〜/月」と公開していることによります(出典:Chapter Twoメディア「SEOコンサル・大手SEO会社おすすめ比較」 https://chaptertwo.co.jp/media/seo-company/ )。なお会社によって水準は異なり、たとえば株式会社PLAN-Bのコンサルティングには月額500,000円から案内されているプランもあり、記事1本の価格とは別の物差しで設計されていることが分かります(出典:株式会社PLAN-B「SEOコンサルティング」 https://www.plan-b.co.jp/solution/seo/consulting/ )。
もう1つ、クラウドソーシングを使う場合は手数料の扱いも確認しておきたいところです。ランサーズでは、表示された契約金額とは別に、発注側・受注側それぞれに手数料がかかります。ランサーズの公式ヘルプでは、受注側のシステム手数料が契約金額(税込)の16.5%、発注側が5.5%と案内されています(出典:ランサーズ公式ヘルプ「システム手数料の詳細を教えてください」 https://www.lancers.jp/faq/A1034/936 )。クラウドワークスでも、受注側のシステム利用料が金額帯によって変わる仕組みが公式に案内されています(出典:クラウドワークス「ワーカーシステム利用料」 https://crowdworks.jp/pages/guides/employee/fee )。表示価格だけで比べると、実際に支払う総額や、受け手が確保できる作業時間の見通しがずれることがあります。
費用の内訳|見積もりは工程で分解できる
見積もりの妥当性を考えるときは、総額を工程ごとに分解してみると判断しやすくなります。SEO記事1本には、主に次の工程があります。
- 分析・選定:狙う検索語、読者の疑問、競合の記事の内容を調べ、記事の狙いを決める
- 構成:見出しの並びと、各見出しで何を書くかを設計する
- 執筆:構成に沿って本文を書く
- チェック:事実の誤り、出典の有無、表記の統一、誤字脱字を確認する
- 入稿・公開:CMSへの登録、見出しやリンクの設定、公開作業
- 公開後の測定・リライト:検索結果での表示や順位の変化を見て、直すかどうかを判断し、実際に直す
安い見積もりの多くは、このうち執筆の部分だけを指しています。高い見積もりは、分析と、チェックと、公開後の工程までを含んでいることが多い。つまり価格差は、文章の上手さの差というよりも、「どこからどこまでを相手が引き受けるか」の差として現れることが少なくありません。見積もり書に工程の内訳が書かれていない場合は、総額の高い・安いを判断する前に、まず内訳を出してもらうよう頼むのがよい順序です。
価格差を生む4つの要素
1. 分析の有無
どの検索語で、誰の、どの疑問に答える記事にするか。この設計があるかどうかで、記事の役割は変わります。分析には、検索意図の確認、競合ページの棚卸し、既存記事との重複チェックなどが含まれます。発注側でキーワードと構成を用意できる場合は、この部分を外して執筆だけを頼み、費用を抑えられます。逆に分析から頼む場合は、その分が価格に乗ります。自社に分析を担える人がいるかどうかで選ぶ部分です。
2. チェック体制|誰が、何を確かめるか
チェックには段階があります。誤字脱字や表記を見る校正、文章の流れを見る編集、事実が正しいか出典があるかを確認するファクトチェックは、それぞれ別の作業です。書いた本人ではない別の担当者が確認するかどうかでも手間は変わります。本人だけでは思い込みによる誤りを見つけにくいためです。見積もりでは「チェック込み」で判断せず、誰が、どの項目を、どのような記録で確認するのかを聞いておくと、認識のずれを減らせます。
この工程を軽く見られない理由の1つは、検索側の基準です。Googleはスパムに関するポリシーの中で、利用者の役に立つことを目的とせず、検索順位の操作を主な目的として大量のページを作る行為を「大量生成されたコンテンツの不正使用」として挙げています(出典:Google 検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」 https://developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies?hl=ja )。また、生成AIを使う場合の案内でも、作り方ではなく内容の品質と、公開前に人が確認することの重要性が述べられています(出典:Google 検索セントラル「ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス」 https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/using-gen-ai-content?hl=ja )。チェックは飾りではなく、公開してよい状態にするための工程として費用に含まれている、と捉えると見積もりの見方が変わります。
3. 公開後の測定・リライトの有無
記事は公開して終わりではありません。公開後に検索での表示を確認し、情報が古くなった部分や、読者の疑問に答えきれていない部分を直す作業があります。この測定とリライトが契約に含まれるかどうかでも、実質価格は変わります。新規執筆だけの見積もりと、既存記事の見直しまで含む見積もりは、総額だけで比べないほうがよいでしょう。
4. 専門分野かどうか
医療、法律、金融、税務のように、誤りが読者の判断に直接影響する分野では、確認すべき一次情報が増え、有資格者や専門家の監修が必要になることもあります。その分、費用は上がります。反対に、発注側が一次情報を手元に持っているテーマでは、情報を渡すことで確認の手間を減らせる場合があります。見積もりが高いと感じたら、専門性の分なのか、工程の分なのかを分けて聞いてみてください。
見積もりを見るときの確認ポイント
見積もりを受け取ったら、次の項目を1つずつ確認してみてください。すべてを口頭で済ませず、見積書や提案書に書かれているかどうかで見ることが大切です。
- 対象の検索語と想定文字数は決まっているか。文字数が未定のままの1本単価は、後から変わる可能性があります
- キーワード選定や競合分析は含まれるか、別料金か
- 構成案の作成と、その確認・修正の回数は何回までか
- チェックは誰が行い、何を確認するのか。事実確認や出典の確認は含まれるか
- 画像の用意、CMSへの入稿、内部リンクの設定は含まれるか
- 修正対応の範囲と回数。事実の誤りの直しと、表現の好みの直しは分けて書かれているか
- 公開後の測定やレポート、リライトは含まれるか。含まれる場合、その期間はいつまでか
- 税込か税別か、プラットフォームを使う場合は手数料がどう扱われるか
- 納品物の形式と、記事の権利や二次利用の扱い
この確認で特に効くのは、「含まれていないもの」を先に知ることです。追加料金になる項目が分かれば総額の見通しが立ちます。安く見えた見積もりが、分析と入稿と修正がすべて別料金で、最終的には他と変わらなかった、ということも起こり得ます。
安さだけで選んだ場合に起きがちなこと
安いこと自体が問題なのではありません。作業範囲が明確で、その範囲に発注側が納得しているなら、低価格の依頼は合理的な選択です。困りやすいのは、範囲が曖昧なまま安さで決めた場合です。
起きがちなのは、まず事実確認の工数が発注側に戻ってくることです。数字、日付、制度、料金、手順に誤りがあると、公開前に発注側が1つずつ確かめて直すことになります。執筆費用は抑えられても、合計では割高になることがあります。次に、一般論の寄せ集めになりやすいことです。競合をなぞっただけの内容は読者の具体的な疑問に答えにくく、次の行動につながりにくくなります。そして修正のやり取りが増えることです。構成で狙いをすり合わせていないと、納品後に大きな直しが発生し、追加料金や納期の遅れにつながる場合があります。
これらはいずれも、依頼先の能力だけの問題ではなく、発注側が「どこまでを頼むか」を決めないまま進めたときに起きやすいことです。安く頼むなら、構成と一次情報は自社で用意する、チェックは自社で担う、と範囲を決めてから頼むほうが結果は安定します。
まとめ|自社の段階に合った買い方をする
SEO記事の外注費用は、執筆のみなら文字単価0.5円〜1円台から、編集・チェック付きの代行なら1本30,000円〜50,000円、分析だけを単品で買う場合はクラウドソーシング等の簡易な分析メニューなら15,000円前後から見られる一方で事業者の単発レポートは100,000円〜500,000円程度が目安となり、コンサルティング込みなら月額250,000円から見られる、というのが公開情報を調べた範囲での目安です。ただし、この数字は作業範囲とセットでなければ意味を持ちません。見積もりを比べるときは、金額の前に工程の内訳を確認し、文字単価と1本単価の両方に換算してから判断してください。
買い方は、自社の段階で分けて考えると選びやすくなります。これから始める段階なら、分析と記事数本をまとめた小さな単位で頼み、確認のされ方や自社の確認工数を確かめるのが現実的です。すでに記事がある段階なら、新規を増やすより既存記事の棚卸しとリライトに費用を使うほうが重複を避けられます。継続的に発信する段階では、月単位で分析と制作と測定をまとめて頼む形が見積もりの手間を減らします。いずれでも、「何が含まれ、何が含まれないか」が書面で分かる相手を選ぶことが納得感につながります。
なお、この記事を作っているキジカルテでは、分析と、書いた担当者とは別の担当者による独立チェックを含めた形で、初回のパッケージから案内しています。費用の考え方はこの記事に書いた通りで、見積もりでは工程の内訳を開示する方針です。検討材料の1つとして、他社の見積もりと内訳同士で比べてみてください。