タイトルと見出しは、装飾ではない。タイトルは、検索結果で記事が何を扱うかを示し、読むかどうかを判断する材料になる。見出しは、本文の中でどの順番で何が説明されるかを示し、読みたい箇所へたどり着くための案内になる。どちらも本文より先に決めるものではなく、記事が誰の、どの疑問に答えるのかが決まってから設計するものである。

設計を誤ると、タイトルが示す内容と本文が食い違うずれと、見出しを並べても構造が読み取れないずれが生じる。本記事では、Google検索セントラルの公式ドキュメントに沿って、その手順を整理する。

前提:タイトルとタイトルリンクは同じではない

最初に、用語を分けておく必要がある。記事側で設定するタイトルは、一般にHTMLのtitle要素に書かれるテキストを指す。一方、Google検索の結果に表示される見出しのリンクは「タイトルリンク」と呼ばれる。Google検索セントラルによれば、タイトルリンクは自動的に作成されるものであり、その決定には複数のソースが使われる(出典:Google検索セントラル「Google検索結果のタイトルリンクの変更」)。

同ドキュメントに挙げられているソースには、title要素のほか、メインの視覚的タイトル、h1要素などの見出し要素、og:titleメタタグ、大きく目立つテキスト、ページ内外のアンカーテキスト、WebSite構造化データが含まれる。title要素を設定すれば表示がそのまま確定するわけではない。

同ドキュメントでは、title要素が内容を正確に反映していないと判断された場合や、古くなっていたり一部が欠けていたりする場合に、大見出しなど別の情報からタイトルリンクが生成されることがあると説明されている。タイトルの設計は、title要素だけでなく大見出し(h1)を含め、主題が一貫して伝わる状態を作る作業である。

SEOスターターガイドでも、タイトルリンクは検索結果の見出し部分となり、クリックする検索結果を判断する際の参考になるとされている(出典:Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」)。タイトルは、本文を読む前の段階で内容を正確に伝える役割を持つ。

検索意図からタイトルを決める手順

タイトルの文言を考える前に、検索意図を確認する。検索意図とは、その言葉で検索する人が何を知りたいのか、何を判断したいのかという目的である。手順は次の4段階である。

手順1:対象とする検索語と読者を1つに絞る

1つの記事が答える中心の疑問を1文で書く。中心が複数ある場合は、記事を分けるか、中心を1つに決めて残りを従属的な論点として扱う。中心が定まらないままタイトルを書くと、範囲が広がりすぎた曖昧なタイトルになりやすい。

スターターガイドでも、読者が検索しそうな言葉を考えることが取り上げられ、知識の差で使う言葉が異なる点が示されている(出典:Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」)。専門用語ではなく、読者が使いそうな言葉で疑問を書き直すことが、この段階の作業である。

手順2:実際の検索結果で意図を確かめる

中心の検索語で実際に検索し、結果に並ぶページの種類を見る。解説記事が多いのか、サービスページや料金ページが多いのか、比較記事が多いのかを確認する。想定した意図と並んでいるページの種類が食い違う場合は、想定の側を修正する。言葉の印象だけで意図を決めないことが大切である。

手順3:記事で答える範囲を先に決める

タイトルの文言に入れる前に、答える範囲と答えない範囲を見出し案の形で仮置きする。この範囲が、後にタイトルとの一致を点検する基準になる。範囲を決めずにタイトルを先行させると、タイトルが約束した内容が本文に存在しない事態が起きる。

手順4:範囲を要約してタイトル文にする

最後に、決めた範囲を要約してタイトル文にする。対象と答えることを含め、必要に応じて読者や条件を加える。本文で扱わない論点は入れない。タイトル作成は、言い回しを探す作業ではなく、範囲を短く正確に言い表す作業である。

良いタイトルの条件:公式ドキュメントの整理

タイトルリンクに関するドキュメントでは、質の高いタイトルを設定するための方法が具体的に示されている(出典:Google検索セントラル「Google検索結果のタイトルリンクの変更」)。要点は次のとおりである。

条件内容点検の観点
具体的で分かりやすい「ホーム」「プロフィール」のような曖昧な表現を避けるタイトルだけで、そのページ固有の内容が分かるか
簡潔である不必要に長い文や無駄な情報を含めない削っても意味が変わらない言葉が入っていないか
内容を正確に表すそのページに固有で、内容を正確に説明する本文の中心と一致しているか
キーワードの乱用を避ける同じ語句を何度も繰り返さない同じ言葉や似た言葉が不自然に並んでいないか
定型文の繰り返しを避けるページごとに固有のテキストにする。一部だけを変えた長い定型文も適切ではない他ページのタイトルと並べたときに区別できるか
ブランディングは簡潔にサイト名は先頭または末尾に置き、区切り文字で分ける方法が示されているサイト名が主題を圧迫していないか

キーワードについては、同ドキュメントが、具体的なキーワードをいくつか含めると効果的な場合もある一方で、同じ語句を繰り返しても意味がないとしている。検索語を入れること自体が目的ではなく、内容を的確に表した結果として必要な言葉が入る、という順序である。

スターターガイドでも、良いタイトルは、そのページに固有で、明確かつ簡潔であり、内容を正確に説明しているタイトルであるとされ、サイト名や提供する内容に関する情報を含めることができる例が示されている(出典:Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」)。2つのドキュメントに共通するのは、独自性、明確さ、簡潔さ、正確さの4点である。

また、同ドキュメントでは、どのテキストがメインタイトルかを明確にすることも求められている。複数の見出しの目立ち方が同じだとシステムに混乱が生じる可能性があるため、大見出しは最も高い視認性を持つ見出しとして目立たせることが示され、例としてフォントを大きくすることや、最初に目立つh1要素に配置することが挙げられている。本文と同じ言語と書記体系で書くことも推奨に含まれる。

文字数について:何文字以内という断定ができない理由

タイトルの長さについては、「何文字以内に収めるべきである」という形で語られることが多い。しかし、この言い方には注意が必要である。

同ドキュメントが避けるよう求めているのは、文字数そのものではなく、不必要に長い文や無駄な情報である。title要素のテキストがすべて表示されるわけではなく、一部しか表示されない場合があると説明されている。表示範囲は端末や画面幅で変わるため、単一の文字数を公式の上限として扱うことはできない。表示は文字数ではなく表示領域の幅、すなわちピクセル幅との関係で決まる側面が大きく、全角文字と半角英数字では同じ文字数でも幅は異なる。

実務で文字数の目安が示される場合、それは媒体やツールや事業者が特定の端末や表示条件を前提に置いた目安であり、Google公式の基準ではない。目安を公式基準であるかのように扱うと、目安に収めること自体が目的になる。長さの点検では、文字数を数える前に、不要な言葉や重複を削れないかを先に確認する。

本文の長さについても、スターターガイドでは、長さだけを調節しても意味がなく、魔法の文字数も最小や最大の文字数も存在しないとされている(出典:Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」)。数値の枠ではなく、内容との一致と簡潔さで判断することが公式の記述に沿う。

タイトルと本文の約束を一致させる

釣りタイトルが損なうもの

タイトルで本文にない内容を約束したり誇張したりする書き方は、いわゆる釣りタイトルと呼ばれる。タイトルを見て訪問した読者は、その内容が本文にある前提で読み始める。本文になければ目的を果たせず、サイト全体への信頼も損なわれやすい。

「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」でも、自己評価の問いとして、メインの見出しやタイトルが内容を要約する有用なものであるか、誇張したり強いショックや不快感を与えたりするものではないかが挙げられている(出典:Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」)。実際には答えがない質問に答えると約束している場合も、見直しが必要な警告として挙げられている。一致は、見え方以前に信頼性の問題である。

一致を点検する手順

点検は、公開前に次の順序で行う。

  • タイトルに含まれる名詞と論点を書き出す(対象、費用、手順、比較、注意点など)
  • 書き出した論点のそれぞれについて、本文のどの見出しで答えているかを対応付ける
  • 対応する見出しがない論点は、本文に足すか、タイトルから外す。どちらもできない場合は記事の範囲自体を見直す
  • 逆に、本文の中心になっているのにタイトルから読み取れない論点がないかを確認し、必要ならタイトルに含める
  • 数字、期間、対象範囲などの限定表現がタイトルにある場合は、本文の記述と数値や条件が一致しているかを確認する

点検では、タイトルを本文に寄せるだけでなく、本文をタイトルに寄せる判断もありうる。必要な論点が本文に不足しているなら足すべきは本文であり、範囲を超える論点をタイトルだけが約束しているなら外すべきはタイトルである。判断は、手順3で決めた範囲に立ち戻って行う。

見出しで記事の構造を示す方法

見出しの役割は、本文の構造を示すことである。スターターガイドでは、文章が読みやすくよく整理されていることの要素として、長い文章は段落や章などに分け、全体を見通せるように見出しを付けることが挙げられている(出典:Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」)。見出しだけを順に読めば、記事が何を、どの順番で説明するかが分かる状態が、構造を示せている状態である。

見出しの階層の作り方

実務では、h1で全体の主題を、h2で大きな論点の区切りを、h3で各論点の細目を示す階層で設計する。関係のない論点を同じ階層に並べない。見出し文は配下の本文を要約する文にし、本文で答えない疑問を見出しに入れると、タイトルと本文の不一致と同じ問題が見出し単位で発生する。

一方で、公式の留保も押さえておく。スターターガイドでは、見出しを意味的な順番にすることはスクリーンリーダーにとって望ましい一方で、Google検索にとっては順番どおりでなくても問題はないとされ、魔法の見出し数や理想的な見出し数も存在しないとされている(出典:Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」)。数や順序の形式を目的にせず、読者が構造をたどる手段として意味的な順番で設計することが正確な位置付けである。

見出し設計の手順

  • 記事で答える論点を、本文を書く前に箇条書きで並べる
  • 論点を、読者が疑問を持つ順番、または前提から結論への順番に並べ替える
  • 大きな区切りをh2に、その中の細目をh3に割り当てる。h2だけを抜き出して読んでも全体像が分かるかを確認する
  • 各見出しについて、配下の本文で何を書くかを1行で決める。1行で言えない見出しは、論点が2つ混ざっている可能性があるため分割を検討する
  • 本文を書き終えたら、見出しだけを再読し、本文の実際の内容とずれていないかを確認する。ずれている場合は、見出し文を本文に合わせて直す

見出しに検索語を含めるかも、この手順の中で判断する。論点を正確に表した結果として含まれる形が自然であり、入れるために文を不自然にしたり、同じ語をすべての見出しに繰り返したりする設計は避ける。

作例で見る:タイトルの直し方

以下は説明のために作成した作例であり、実在の記事や事例ではない。架空のテーマ「リコールはがきの文面の作り方」を題材とする。

作例問題点直し方の方向
(作例)「知らないと損する裏技まとめ」対象も答える内容も示されておらず、本文との対応が確認できない。誇張した表現も含まれる対象と内容を明示する。「リコールはがきの文面の作り方|記載項目と文例の考え方」のように、扱う範囲をタイトル自体で示す
(作例)「はがき、文面、書き方、例文、テンプレート、印刷、郵送、費用」語句の羅列であり、文章として内容を説明していない。キーワードの詰め込みにあたる中心の論点を1つに絞り、残りは見出しで扱うかどうかを分ける
(作例)「リコールはがきの完全ガイド|費用から郵送手順まで全て分かる」本文で費用や郵送手順を扱っていない場合、タイトルが本文にない内容を約束している扱っていない論点をタイトルから外すか、本文にその論点を足す。限定できない表現は使わない
(作例)全ページ共通の長い定型文に地名だけを差し替えたタイトルページ同士の区別がつかず、各ページ固有の内容が伝わらないページごとに固有の内容を表す文を中心に置き、共通部分は簡潔にする

作例に共通する直し方は、表現を強くすることではなく、範囲を明確にすることである。

公開前の確認一覧

確認項目確認内容
意図との一致対象とする検索語で検索する人の疑問に、記事の中心が答えているか
固有性サイト内の他ページのタイトルと並べて区別できるか。定型文の繰り返しになっていないか
正確さタイトルのすべての論点が本文に対応しているか。誇張や、本文にない約束がないか
簡潔さ不要な言葉、同じ語句の繰り返しがないか。サイト名などの共通部分は簡潔か
大見出しとの一貫性title要素とh1などの大見出しが同じ主題を示しているか。大見出しが最も目立つ位置付けになっているか
見出しの構造h2だけを読んで全体像が分かるか。各見出しと配下の本文が一致しているか
言語の一致タイトルが本文と同じ言語と書記体系で書かれているか

この一覧は、タイトル文と見出し一覧と本文を並べて対応を確認するためのものである。対応が取れない項目が残る場合は、範囲の決め直しに戻る。

まとめ:タイトルは範囲の要約、見出しは構造の提示である

タイトルと見出しの設計は、検索意図を確認し、記事で答える範囲を先に決め、その範囲を要約してタイトルにし、論点の順番と階層を見出しで示す、という手順で進める作業である。公式ドキュメントが示す条件は、そのページに固有で、明確かつ簡潔であり、内容を正確に説明すること、キーワードの詰め込みと定型文の繰り返しを避けること、タイトルと本文の約束を一致させることである。文字数については、単一の数値を公式基準として扱わず、表示条件によって変わるものとして捉え、不要な言葉を削ることで簡潔さを確保する。見出しについては、数や順序を数値目標にするのではなく、見出しだけを読んで構造が分かる状態を作ることが基準になる。

なお、本記事を公開しているキジカルテは、SEO記事の制作と分析を扱うサービスであり、検索意図の確認をもとにタイトルと見出しの構成を設計し、本文との一致を公開前に点検することを工程の前提としている。サービス内容の詳細はサイト内の案内を参照されたい。

出典

  • Google検索セントラル「Google検索結果のタイトルリンクの変更」
  • Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」
  • Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」